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乙坂 重嘉; 乗木 新一郎*
Journal of Oceanography, 61(1), p.25 - 40, 2005/01
被引用回数:28 パーセンタイル:50.74(Oceanography)沈降粒子は、粒子状有機炭素の海洋表層から深層への鉛直輸送に重要な役割を果たしている。沈降粒子の主要成分は、生物起源ケイ酸塩(opal),炭酸カルシウム,有機物及び鉱物である。本研究では、日本海を含む西部北太平洋における時系列セジメントトラップ実験結果から、各主要成分の沈降に伴う有機炭素の輸送フラックスを見積もり、世界中の各海域と比較した。日本海を含む西部北太平洋の水深1kmにおける平均の有機炭素粒子束は、13.5mg/m/dayであった。この量は、東部北太平洋(7.4),中央太平洋(1.1),赤道太平洋(4.2),南大洋(5.8),東部北大西洋(1.8)に比べて大きかった。西部北太平洋では、Opalが主要な生物起源成分で、西部北太平洋外洋域における有機炭素粒子束のうち、55%はOpal粒子によって鉛直的輸送されていた。Opal粒子は、ベーリング海や南大洋でも、沈降粒子の主要成分として知られているが、これらの海域に比べて、opal粒子に起因する有機炭素粒子束は、西部北太平洋の方が大きかった。西部北太平洋の海洋表層におけるopalの生産は、生物ポンプを効率化させるばかりでなく、深層への有機炭素の蓄積効率が高いことが明らかになった。